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"Ask Warren" CNBC ウォーレン・バフェット インタビュー 

バフェットからの手紙の邦訳のシリーズをしている途中ですが、本日3月9日の早朝にCNBCのSquawk Boxの特番で”Ask Warren”と言うタイトルの、3時間のインタビューが放送されました。この”Ask Warren”については、CNBCで、先週頃から視聴者からの質問を募集するとさかんに前予告を行っていました。景気の減速が顕著となり、市場心理が急速に悪化、株式市場が大幅に下落してきている中、非常に注目を集めた様です。このインタビューでの発言の一部もメディアで大きく取り上げ、本日の市場への影響も少なからずあった様に思います。CNBCのビデオとインタビューのトランスクリプトがあるURL、関連記事のヘッドラインの例とそのリンクを以下に添付します。

TRANSCRIPT & VIDEO: Ask Warren Buffett on CNBC's Squawk Box - Part 1

Wells Fargo shares boosted by Buffett

Buffett says economy fell off cliff

このインタビューは非常に長く、当ブログでどの様に扱うか迷いましたが、内容を抜粋するのは、主要なメディアが行っており、自分としては、部分的に扱うよりも、インタビュー全体の雰囲気、その中で上に記した様に部分的に大きく取り上げられているバフェット氏の発言がどの様な前後の会話から行われているのかを、取り上げたいと思っています。そのため、基本的には当該CNBCのインタビューのトランスクリプトの全てを邦訳しようと考えています。

まずは皆さん、是非、ビデオを見て下さい。バフェットさん、ちょっとのどの調子が悪そうです。たまに掠れ声気味になること、傾向は以前からありましたが、今日ののどの具合はいつもと比べても悪い様に思います。結構いい年になってきているので、お体の具合が心配です。体調や健康管理に関しては、本人が十二分に分かっているので私がとやかく言う問題では、ないと思いますが、、、

前置きが長くなってしまいました。すみません。それでは、”Ask Warren” CNBC インタビューの第1段を以下に記します。多少なりとも急いで訳しているので、誤字脱字、乱文となる部分があるかもしれません。ご容赦下さいます様、よろしくお願い致します。

wbw_ask_warren_trans1.jpg



Beck Quick: 皆さん、おはようございます。CNBC Squawk Boxへようこそ。ベッキー・クイックです。Joe Kerneと一緒です。Carlは本日お休みです、でも、Joe、我々はとても特別なお客を本日の朝お迎えしております。Warren Buffettです。彼は、本日我々とこの先3時間一緒にこちらに一緒にいて下さいます。我々は、この時間を過ごす事に大変興奮しています。我々は、ネブラスカ・ファニチャー・マートにいます。ウォーレン、あなをお迎えする事ができ大変光栄に思います。本日の朝、我々の番組に参加して下さいましてありがとうございます。
(注:ネブラスカ・ファニチャー・マートは、バークシャーの傘下の企業の一つです。

Warren Buffett: 私も、“時間”を除いては、全て楽しんでいます。

Quick: “時間を除いて”、そして、いつもより早く起きて下さいました事に感謝いたします。オマハは今朝の5時である事を指摘しておくべきでした。ご出演下さりありがとうございます。

Buffett: どうも。

Becky: 我々はこれから3時間あなたと一緒に過ごします。まず第一に3時間はとても長い様に思われます。しかし、経済の現在の状況やもろもろの事を考えると、3時間では十分な時間ではないかもしれません。ですので、あらためて、本日我々と一緒にお時間を割いて下さいます事に、感謝致します。

Buffett: こちらこそ、ありがとう。

Quick: Warren,それでは、単刀直入に経済についての話から始める事でいかがでしょう?なぜなら、それが人々が今気にしている事だからです。何が起こっているのでしょう?我々は、とても心配していると言った声を多くの人から常に聞きます。率直に言って、とてもおびえている様な状況です。

Buffett: ええ、我々が9月に話をした時はそうですね。

(コメント:ここで、本局のJoe Kernenの方から割り込みが入ります。)

Joe Kernen: Warren、ちょっと待って下さい。

Buffett: なんですか?

Kernen: 話に割り込んでしまい、すみません。ウォーレン、MerckとSchering-Ploughが合併する事になりました。

Quick: わあ

Buffett: ふーん

Quick: 了解しました。

Kernen: ごめんなさい。

Quick: MerckとSchering-Ploughの合併について。今朝、我々はあなたとこの件について既に十分に話をしたと思いますが、ウォーレン、それではいくつかのニュースについてから始めましょうか?

Kernen: 私は、オラクル(賢者、注:ご存知の方も多いと思いますが、バフェット氏は、”Oracle of Omaha”または”the Sage of Omaha”とも呼ばれたりしています。)に対してこの様に割り込みをすることを考えてはいませんでした。しかし、すみません。株式と現金の取引きで、会社がMerckの名前で一緒になる合併案を取締役会は、満場一致で承認しました。Schering-Ploughの株主は、Schering-Ploughの一株につき、Merckの0.5767株と現金で10ドル50セントを受けとります。明白な事ですが、Merckの株は、合併した会社の株となります。CEO兼会長のRichard Clarkが合併後の会社をリードします。これは、このことは、本日月曜日朝6時ちょうどの衝撃的な本当に素晴らしいニュースだと思います。

(原文:This is a real block buster and right at 6 AM on a Monday. Blockbusterのままの方が意味としては直接伝わる気もしましたが、衝撃的な素晴らしいニュースとしました。)

そして、ウォーレン、私はあなたがおっしゃることは想像がつきますが、これは、アニマル・スピリッツになるかもと、、、ご存知の通り、これで全ての問題が解決する訳ではない、しかし、米国のビジネス(の可能性、将来、強さ)を確かに裏付けるものです。そして、M&Aは同様に生きていると言う事です。

(注:Kernen氏は、今朝のMerckのSchering-Ploughの買収合併のニュースに非常に興奮しており、この新たな大型買収合併のニュースが市場の流れを変えるのではと、期待しているのだと思われます。ここで彼が期待を込めて言っている、アニマル・スピリッツは、ケインズのやつです。一般に大型の買収合併等のニュースは、市場に大きなプラスの影響をもたらしますが、本日の市場に対しては、午前中に多少なりともプラスの要素がありましたが、すぐに立ち消えてしまいました。)

Buffett: そうですね。アニマルスピリッツは常に市場に存在します。たった一つの質問は、アニマルスピリッツを生み出す様なアイディアを成し遂げる程のファンドを誰がもっているか?と言う事です。しかし、特に製薬企業は、一般に良いバランス・シートを持っています。ですから、彼らは取引を行なうことができるのです。

(注:Kernen氏と比べ、バフェット氏はいたって冷静に答える)

Kernen: 私は、、、

Quick: しかし、この規模の取引案件が今の状況下で起きることに驚きませんでしたか?

(注:Beckyは割と良いフォローをしていると思います。)

Buffett: ええ、私は、今の様な状況下でこの様な規模の案件であればなんでも、確かに驚きますね。それは、事実です。ほとんどの他の業界の企業では、案件を成立させる事は難しいでしょう。

Kernen: あなた方、、、

Quick: Joe? (何ですか?)

Kernen: Schering-=Ploughの(先週金曜日の)終値は、$17.63です。この取引は、Schering-Ploughにとって、現在の価値で$23.61で、総額411億ドルです。Vioxxのもめている件についておっしゃりたいと想像していますが、その件については今はお休みさせておいて(ひとまずおいておいて)、彼らが、Schering-Ploughを気分良く410億ドルで買収させてあげる。しかし、、、

Buffett: はい。

Kernen: これは、喜ばしい、喜ばしい動きです。そして、ウォーレン、あなたは、いろいろなとこで、外国の製薬会社を所有、部分所有してますよね。そして、いくつかの国内の企業に関しても同様に株式をお持ちですよね。製薬会社は、常にあなたのお好みの一つです。

Buffett: しかし、我々はScheringに関しては少しも所有していません。ですから、私の顔から流れ落ちる涙をご覧になれるでしょう。(注:もちろん、泣いていません。)

Quick: Merckに関しては?Merckもお持ちでないのですか?

Buffett: いいえ。Merckも少しもありません。

Quick: ご自身の個人の口座でもないのですか?

Buffett: いいえ。

Quick: 分かりました。何が、、、

Kernen: あなたの所有するところで最も大きいものはどこですか?あなたはいくつかお持ちのはずです。ウォーレン、あなたの所有する外国の製薬会社はどこですか?

Buffett: Sanofiと一番大きいのは、Sanofi-Aventis、そして国内では、J&Jを持っています。

Kernen: 分かりました。OKです。Beck. (それでは、ベッキー(進めて下さい))




ここで、ひとまず切ります。正直なところ、インタビューの冒頭にKernen氏が突然割り込んできて、自分の意見を主張して、私としては非常にうっとおしく感じたセクションでした。ただ、Kernen氏の気持ちも分からなくはありませんが、、、私としては、バフェットさんにもっといろいろ話してもらいたいと思い、ビデオを見ていて不快でした。ただ、こうやってトランスクリプトを訳していて、面白く感じたのは、この大型の買収案件のニュースで市場の流れをかえるのでは、と期待し興奮しているKernen氏に対してバフェットさんはいたって冷静に反応しているところです。(いつものことではありますが)

通常の市場環境であれば、確かにこの様なプレミアムが伴う大型案件は市場を活性化し、上昇へと導きますが、本日の市場は反応はあまりありませんでした。このことも、今の市場心理を良く表していると思います。今日の市場に関しては、US マーケット・ウォッチにもう少し詳しく書いておりますので、よろしければご覧になって下さい。

この後、Kernen氏はいなくなり、Beckyとバフェットさんで合併買収案件に関する話を少しして一旦その件は終わりにし、経済の話、その他の話へと移って行きます。ここからやっと、もっと興味深い話になってくると思います。続きは明日投稿予定です。

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