市場が今後どの様に展開していくのか?といった予測をすることは、投資戦略を立てる上で、重要な一つの事柄だと思います。一方、予測が当たっていたとしても、それは、結果としてそうであっただけで、将来何が起こるかを、確実に予測することは、現実的には不可能です。
これは、将棋や囲碁、スポーツ等にも共通することですが、相手・市場がどう動くのかをある程度予測して(100%ではないにせよ)、行動することは、勝負の世界で重要なことだと思います。(私は、投資は勝負事と思わない様にしていますが、ある程度は、そういった側面があるのも事実だと思います。)
さて、現時点での市場は、DOW Jones IndustrialとS&P 500は過去最高値に近いレベル、Nasdaqは過去5年のパフォーマンスは前記のインデックスを上回る伸びです。
先週のエントリで述べた様に、これは日経平均株価にも当てはまります。米国・日本以外の市場を見ても、BRICsを始めとし世界全体の市場が非常に好調です。
しかし、今年前半、好調な米国市場において、長期的に絶好調を維持していた住宅・不動産関連の分野は、一部の住宅メーカーの決算が赤字に転落するなど、トレンドが明らかに、スローダウンし下落の方向に向かいつつあります。また、SubprimeローンにからむHedge Fundの破綻・大幅な損失が明らかになり、これが他に飛び火するのではと言う懸念も高まっています。米国自動車業界も既に低迷中です。
市場は、FRBの金利の動向に敏感に反応し、上下に激しく変動しています。この金利に対する過剰とも思える市場の反応は、金利が与えるM&Aのブームに対する影響が大きく作用していると、考えられます。また、史上空前のM&Aブームを巻き起こしている大きな要因は、長期金利が低いレベルに留まっていることとPrivate EquityによるLBOの活発な動きです。
今年に入り、Fortress Investment GroupのIPOを皮切りに、BlackstoneのIPO, GLG PartnersのMergerを利用したNYSEのリスティング等、Private EquityやHedge FundのIPOが立て続けに起こっています。また、KKRもIPOすることを発表しており、今年後半に向けても、引き続きPrivate EquityやHedge FundのIPOラッシュが見込まれています。
上記の様な状況を考慮した上、2007年後半の株式市場のシナリオをいくつか考えて見ます。やはり、米国の場合、一つのキーを握るのは、サブプライム・ローンの問題がどの程度、市場全体に影響をあたえるかだと思います。
(シナリオ1)
市場は引き続き金利の動向に敏感ではあるものの、景気は引き続き堅調。 自動車・住宅セクターは引き続き厳しい状況が続く。一部サブプライム・ローンの問題はあるものの、他には波及せず、株式全体としては引き続き上昇する。
(シナリオ2)
サブプライム・ローンの問題が、ファイナンス・セクター全体に波及し、ファイナンス関連の株価は下落、それに伴い、株式市場全体もやや下落するものの、影響は限定的に留まる。
(シナリオ3)
サブプライム・ローンの破綻等が社会問題化する。 また、サブプライム・ローンに絡むHedge Fundのスキャンダルが露見、これが金融セクター及び株式市場全体に影響を及ぼし、株価は大幅に下落する。
皆さんは、上記のシナリオの中のどれになると思いますか?私の考えと戦略に関しては、次回のエントリーに書きます。
また、為替の動向も、投資戦略を立てる上で、非常に重要です。これに関してを、後のエントリーで取り上げます。
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