前回のエントリーの続きです。 以下に、前記シナリオと為替の動向に関して、考察してみます。 私の場合、持っている情報(私の場合、圧倒的にアメリカのメディアの情報がベースです。)、認識、そして感覚は、アメリカ(または海外)からの視点に近いと思います。ここでは、日本円とドルに限定して考えております。 また、米国のFRBの基準金利の動向と長期国債の金利(と価格)の動向は、為替レートのトレンドに大きく影響するため、そこに焦点を当てています。(実際の金利の設定に関しては、もちろん金利差だけでなく、その他の要因もあると思います)
為替の動向を予想するのは、プロでも非常に困難なことなので、これは、あくまでも私の視点を基にした、個人の意見、そのシナリオの予想であることを、ご了解下さいますよう、重ねてお願い申し上げます。 (あくまでも一意見としてお考え下さい。)
(シナリオ1-1-1)
米国の景気が引き続き好調な場合、かつFRBが基準金利を据え置きしつつ、上げる方向を示唆している場合は、基本的に、円は引き続きドルに対して、下落していくと思います。
下落の度合いは、FRBの基準金利の方向性の可能性(どれ位、上げる可能性が高いのか、等)、及び米国長期国債の金利の動向によると思います。 さらに、日本の経済の状況、日銀の基準金利の動向は非常に大きな影響を与えると思います。
上記のシナリオは、日銀が引き続き今までの様なスタンスを続けることを前提としております。一回目の金利を上げるのに物凄い時間がかかっており、また、二回目に関しても非常に慎重になっている現状から、推測しています。
一方、日本の景気が明らかに上昇傾向となり、日銀もスタンスを変え、金利を(積極的に)上げる方向になった場合、為替は円高になると思います。
ご存知の様に、日本の米国・ヨーロッパ等の国との金利の格差は、現在、かなりあります。これが、変わらない方向である限り、キャリー・トレードは引き続き活発な状況が続き、それは、円安の持続を同時に意味すると思います。 尚、この考察は、現状の為替レートにおいて、キャリー・トレードが与える影響が大きいという仮定で行っております。
キャリー・トレードが経済に与える影響が、海外の国々で(これは特にヨーロッパから、オーストラリア等もそうですが。。。)、さらに大きくなった場合は、日本政府・日銀に対するプレッシャーは高まる可能性はあると思います。
今の時点では、主要各国(特にヨーロッパ)は懸念を表明しているだけで、それ程、積極的に介入してこないのは、自国の為替政策(高金利)が過剰に高まる景気・株式市場に、機能すると考えていると思います。実際問題として、サブ・プライムローン等に関わる一部Hedge Fundの問題の表面化は、金利政策が効果がでてきているため、と思います。
尚、完全に感覚的な話ですが、アメリカ、ヨーロッパから見た場合、日本がどうして今の低金利を維持しているのか(かなり経済は回復しているにも関わらず)、理解に苦しむ部分もある様に感じます。逆に言うとこの状況を逆手にとって、一部の海外投資家は、日本株買いに走る可能性はあると思います。 (これの次のエントリーに関連した話をする予定です。) ちょっと、先走って話してしまいましたが、上記の様な動きの可能性を含め、海外の(一部投資家・企業)がどの様に動くかに関しては、別のエントリーで(詳しく?)考察したいと考えています。
(シナリオ2-1-1)
前回のエントリーで述べた様に、シナリオ2-1は、米国経済・株式市場が所謂ソフトランディングに近い、状況を想定しています。これは、米国自動車産業、住宅産業が低迷し、また、ファイナンス業界もサブ・プライムローンの問題に対して、ある程度の影響を考慮し、それでも米国の他の産業が全体として市場を支えると言うことを想定(仮定)しております。 そのため、私としては、このシナリオの場合は、株式市場は、上昇するのではなく、若干(これも上記業界の問題の程度によりますが)の下落を予想しています。
この状況にも関わらず、仮にFRBが金利を据え置いたと仮定した場合、おそらく大方の見方は、FRBが金利を将来下げると予想することになると想定します。 この場合も、やはり日銀と日本の経済の動向にもよりますが、円高になる可能性はあると思います。どれ位、為替が動くかは、日米双方の状況によると思います。
(シナリオ2-2-1)
このシナリオ(米国株式市場は若干上昇)の場合、FRBは金利を据え置く可能性が高く、また、現状を維持する可能性が高いと見込まれた場合は、日銀の動向・日本の景気が大きく変化しないと仮定した場合、ある程度のさらなる円安になる可能性があると思います。
(シナリオ3-1-1)
米国FRBが金利を下げることが、明らかな場合、または、下げた場合、為替のトレンドは円高になると思います。米国経済の悪化の程度、日本経済・日銀の動向によって、上げ幅、ペースは変わると思います。
尚、前回のエントリーでも申し上げましたが、上記、また前回を含む全てのシナリオ予想は、予期せぬ大きな事故、事件、天災、テロ等が起こらないことを前提としております。
こういった、いくつかのシナリオを元に、今年後半以降の投資戦略を見直すつもりです。これに関しては、後ほど別途、エントリーで取り上げたいと思います。
(7月8日からブログ・ランキングに参加しております。ご協力の程、よろしくお願いいたします。)
人気blogランキングへ